スギ材香り物質が脳活動と 自律神経活動に及ぼす影響
男子大学生13人に、閉眼座位で90秒間、鼻下約15cmから香りを投与した実験があります。
素材はスギ材チップ、ヒバ材チップで、いずれも日本にあるものです。
測定指標は、近赤外線分光分析法による脳血流動態と血圧、主観評価の3点です。
結果は・・・
①主観評価はおおむね快適で自然である。
②脳血流動態は、前頭前野の活動が90秒間の後半に沈静化
③収縮期血圧(最高血圧)は、有意に低下
つまり、木の香りを嗅ぐと生体は沈静化し、リラックスした状態に移行したことがわかりました。
でも、中にはスギ材の香りが嫌いだという人がいたのです。
人は不快だと感じた場合、交感神経活動優位のストレス状態になるのが通常の反応です。
血圧上昇、脈拍数の増加、瞳孔拡大、末梢血流低下、精神性発汗の増大が生体反応です。
しかし、結果は嫌いな人でも収縮期血圧は低下しないまでも上昇はせず、生体はストレス状態になりませんでした。
結論は、後天的価値観で、スギ材の香りが不快であると主観評価しても、生体が自然対応用にできているためストレス状態にはならない。
快適であると感じた場合は強く沈静化するとうことです。
スギやヒノキの香りが好きな人はそんな環境をぜひつくりましょう。