木のちから

フィトンチッド(揮発性芳香物質)の働き

植物は自分で動けないので、身を守るために芳香物質を出します。
ロシア語でフィトンは植物、チッドは殺すという意味です。
ロシアの科学者が命名しましたが、この言葉が通用するのは日本とロシアのみ。
世界共通語としては、和訳すると「揮発性芳香物質」になります。
フィトンチッドは植物が光合成をするときにつくられる微量抽出成分です。
種類は数百種類にものぼり、杉や桧には50~100種類のそれが含まれています。
フィトンチッドの効能には下記のものが有名です。
①抗菌・防虫作用
食品の防腐、殺菌。ダニやカビへの防虫。抗菌作用は病原菌に有効で副作用が少ない。
<例1>
ヒバに含まれるヒノキチオールは胃潰瘍の原因のヘリコバクターピロリを抑える。
<例2>
ヒノキのフィトンチッドは、院内感染の原因のMRSA菌を全滅させる。
②消臭・脱臭効果
空気の浄化、悪臭の科学的中和。特にホルムアルデヒドの除去効果が高い。
③リフレッシュ効果
森林浴の爽快感は、自律神経を安定させ、肝機能を改善し、快眠をもたらす。
フィトンチッドの成分では、テルペン類が最多です。アロマセラピーのエッセンシャルオイル(精油)の主成分がテルペンです。
みなさん、森林浴に行って森から元気をもらいましょう。